サラリーマン時代に「逃亡マインド」を錬成した1冊

2022-01-06読書

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どうも、ぶちおです。

「逃げる」はセミリタイアの入試科目です。

芥川賞作家の人生論

孤独論: 逃げよ、生きよ』(田中慎弥(著) 徳間書店 2017/2/9)

という本を読み直しました。

著者は1972年山口県生まれ。地元の工業高校卒業後に就職せず、33歳で作家デビューするまでの約15年間、実家で無職のまま過ごします。その間アルバイトも一切行わず、母親の稼ぎと祖父の年金に頼って生活します。

インターネットも無く、携帯電話も所有しない環境の中で、「一日一回は机に向かう」をひたすら実践したとのことです。現在でも、原稿は手書きで行っています。

そんな異色な経歴を持った著者が、「逃げる」ことの重要性を語る人生論です。

人間は慣れる生き物だし、環境への適応能力もきわめて高い。だからそもそも現状肯定に走りやすく、それは容易に思考停止してしまうこととイコールです。「まあいいか、不満はあるけども、なんとか今日はやり過ごせたのだし、明日もなんとかなるだろう」などとうやむやにしてしまいがちなのはそのためですが、長い目で見て本当にそれでいいですか? あなたの人生であるようでいてあなたの人生ではない。そんな生き方がいいわけない。

第1章 奴隷状態から抜け出す p25

W大学卒業後に大手広告代理店に就職、その後独立して・・のような人が上記のようなことを語っても「入ってこない」ですが、著者の経歴を知ると「重み」を感じるから不思議です。

サラリーマンから「逃げる」ことの心理的ハードルを、下げるのに貢献してくれました。

逃げるための実家の有効性

著者は実家の有効性も力説します。

奴隷状態から逃げようとするとき、実家は非常に有効です。実家の親御さんに勘当でもされていないかぎり、いったん実家に逃げ込みましょう。もちろん、自分は一人前に働いているんだといった、取るに足らないプライドは捨てます。

周囲から「いい年して親のすねをかじって」とあきれられる。実家の近所では「あそこのお子さん、急に帰ってきてこのへんふらふらしてるけど、なにしてるのかしら」とささやかれる。それも想定内と受け止めましょう。

第1章 奴隷状態から抜け出す p30

この一文は実家戻り決断の背中を押してくれました。

「取るに足らないプライド」はたしかにありましたね。

40代後半ともなると、そこそこ名のある会社にフルタイムで勤める世界に戻るのは困難です。サラリーマンを辞めても生活できる分の収入構想はあっても、地位、安定収入、世間体などの「既得権」を一気に失うわけですから、なかなか踏ん切りはつかなかったです。

近所の目は実際に感じることありますが、時間が経つごとに小さくなっていきます。「地位」や「世間体」を気にするマインドの解消は、ある程度の時間があれば何とかなるのは実感してます。

著者は「逃げた後」についても言及します。

一度逃げてしまうと、ずっとふらふらしてしまいそうだ、戻って来られなくなる。そう心配するかもしれないけど、そんなことはありません。だいいち、ずっとふらふらしていたっていいと思う。わたし自身が十年以上もふらふらしていたので、そこは強く主張しておきます。

第1章 奴隷状態から抜け出す p33

そして、逃げた後は自分にとって価値ある「なにか」を探せと言います。

十年以上ふらふらしててもいいとの言葉には勇気づけられます。

一つの巣に一世代内のオス二匹はNGか?

著者は作家デビューまでの期間、賃金労働は一切行わなかったとのことですが、それについて家族からは何も言われなかったそうです。親戚からはたまに言われたらしいですが。

私も実感してますが、「働け」と言われない環境はセミリタイアの必須条件です。もし母親ではなく父親との二人暮らしだったら、何かしらの「働けマウンティング」は受けてたのではと想像してます。

そもそも、父親と二人暮らしだったら実家戻りは選択していなかったと思います。著者の場合は母親+祖父だったから、無事に無職でいられたのではと推察します。

やはり、一つの巣に一世代内のオス二匹では、序列ができてうまく行かないのでしょう。

セミリタイア界隈でも、父親と二人暮らし、兄弟二人暮らしとかは聞かないですしね。

「逃げる」にも環境が大事ということなのでしょう。

終わりに

セミリタイアして半年、サラリーマンじゃないことへの負い目は大分減りましたが、ゼロにはなっていません。

半年ではまだまだ甘ちゃんなのでしょう。

この本をたまに読み返して、「逃亡マインド」を脳に刷り込んでいこうと思います。

Posted by ぶちお